
津和野町部栄の家(リノベーション)
1951年12月26日に上棟したこの家が、図らずも2025年12月26日、リノベーションを経てお引き渡しの日を迎えました。
74年という時を越えて、同じ日付が重なったこの瞬間。偶然とは思えない出来事に、不思議な縁と長い物語の存在を感じずにはいられません。

この家は、家族の暮らしとともに年月を重ね、時代の変化を静かに見つめながら、今日まで大切に守られてきました。



今回のリノベーションでは、単に新しくすることを目的とするのではなく、この家が歩んできた時間そのものに敬意を払い、「残すべきもの」と「今の暮らしに必要なもの」を丁寧に見極めながら計画を進めました。
当時の力強い構造材は可能な限り活かし、断熱性や動線、設備といった現代の快適性を重ねることで、これからの暮らしに無理なく寄り添う住まいへと整えていくことがテーマです。









工事の過程では、一つひとつの納まりや素材選びにも向き合いながら、この家がこれから紡いでいく時間を想像し、手を入れさせていただきました。
長い年月を経てきた住まいだからこそ、急がず、誤魔化さず、丁寧につくることの意味を、あらためて教えてもらった現場でもありました。
そして迎えたお引き渡しの日。新たな時間と物語を紡ぎはじめたこの家は、これまでの記憶を静かに抱きながら、凛とした佇まいでそこにありました。














住まいは、完成した瞬間が終わりではありません。人が暮らし、想いが重なり、また次の世代へと受け継がれていく。
この家が、これからもご家族の時間をやさしく包み込み、新しい物語を刻み続けていくことを、心から願っています。







