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KIZUKIブログ

小さくする贅沢、減築リノベ

小さくする贅沢、減築リノベ

山口市大内千坊でリノベーション工事がスタートしました。外部足場が掛かり現場の準備も万端です!

かつて家づくりにおいて「広さ」が大切な要素とされてきた時代がありました。

当時は大家族で暮らすことが一般的で、部屋数の多い家が求められていたのが大きな要因かもしれません。

暮らし方が多様化し、家族構成やライフスタイルも変化している現代の住まい。そこで注目されているのが「減築」という考え方です。

今回のリノベーションでは、既存の建物をフルリノベするのではなく、あえて一部を減らしてコンパクトにまとめる計画としました。

単に小さくするのではなく、空間を整理し、日々の暮らしに本当に必要な部分を厳選することで、快適さと心地よさを両立させることが目的です。

減築にはいくつかの大きなメリットがあります。

まず一つ目は、メンテナンス性の向上です。家が大きければ大きいほど、維持管理にかかる手間やコストは増えていきます。屋根や外壁、床下の点検なども範囲が広くなり、その分負担も大きくなります。建物をコンパクトにすることで、必要な部分にしっかりと手をかけられるようになり、結果的に長く安心して住み続けられる家となります。

二つ目は、エネルギー効率の改善です。冷暖房を効かせる空間が小さくなるため、省エネ効果が期待できます。特に近年のエネルギーコストの高騰を考えると、家全体を効率的に温めたり冷やしたりできることは大きな魅力です。小さな空間だからこそ、断熱性能をしっかり高めることができ、快適さが格段にアップします。

そして三つ目は、暮らしやすさの向上です。使わない部屋や動線の長い間取りは、日常生活の中で意外とストレスになります。減築によって必要な空間を凝縮することで、動線が短くなり、家事や生活のしやすさが向上します。「ちょうどいいサイズ」の住まいは、実際に暮らしてみるとその快適さを実感していただけます。

解体工事スタートから10日。和室の続き間も骨組みだけの状態になりました。柱や梁が現れ、長年積み重ねられた建物の歴史が姿を見せる瞬間です。

この状態から、必要な構造補強や断熱改修を行い、現代の暮らしに合ったコンパクトで快適な住まいへと再生していきます。単なる「古い家の修繕」ではなく、「未来に合わせた住まいの再構築」こそが、リノベーションの醍醐味です。

 

家を大きくする「足し算」の発想から、必要なものを残し、不要なものを削ぎ落とす「引き算」へ。

減築リノベーションは、そんな新しい家づくりの選択肢です。

広さを削った分だけ、生活に直結する部分にしっかりとコストをかけられる。断熱などの性能面を高め、デザインや素材にもこだわることで、住み心地はむしろ向上します。小さくすることは、不便ではなく、むしろ豊かさにつながるのです。

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