古民家の縁側を断熱リフォーム
古民家に欠かせない存在のひとつが「縁側(広縁)」。
庭とのつながりを感じながら、四季折々の景色を楽しめる空間は、日常の中にちょっとした豊かさをもたらしてくれます。
そんな縁側ですが、築年数を経た住まいでは、縁側の木製窓が経年劣化し、断熱性の低下が課題となることが少なくありません。
夏は熱気が入り込み、冬は冷気が床下や窓際から伝わり、快適性が損なわれてしまいます。。今回のリフォームでは、そうした古民家特有の弱点を改善しつつ、心地よい空間へと再生しました。
これまでの木製建具は風合いこそ魅力的ですが、どうしてもガラスが単板で隙間も多く、断熱性能には限界があります。
そこで今回は、断熱性能の高い窓を採用し、複層ガラス仕様とすることで、外気の影響を大幅に軽減する計画です。
これにより、冷暖房効率が向上し、室内の温熱環境が安定。結果として、省エネ性の向上と同時に、住まい手が感じる「夏の暑さ」「冬の寒さ」をしっかり和らげることが可能になりました。
防犯面はもちろんのこと、窓まわりの結露対策にもつながり、建物の耐久性維持という点でも大きな効果があります。
窓の交換と同時に行ったのが、広縁の床の張り替えです。
今回選んだ素材は、香り高く耐久性にも優れた山口県産ヒノキのフローリング。素足で歩いたときの温もりや柔らかさはもちろん、調湿作用があるため湿度が高い日本の気候にも適しています。長年使うほどに風合いが増し、家族の思い出とともに味わいを深めていくのも天然木ならではの魅力です。
古民家の縁側リフォームは、単に見た目をきれいにするだけではなく、住宅の性能や住み心地を大きく変えるポイントです。
断熱窓の設置とヒノキのフローリングによって、四季を通じて快適な室内環境が整い、縁側は家族の憩いの場として新たな価値を持つようになりました。
伝統を受け継ぎながら現代的な性能を備えることで、これから先の暮らしにも安心と快適を与えてくれる住まいへと進化しました。