キャットウォークで猫も快適生活♪
先日、お客様のお宅にてキャットウォークを設置させていただきました。
「猫が自由に室内を移動できるようにしてあげたい」
「運動不足を解消して、健康で長生きしてほしい」
そんな飼い主様の思いをかたちにするための工事。
キャットウォークというと、最近ではテレビやSNSでも目にする機会が増え、「おしゃれで楽しいインテリアのひとつ」として注目されるようになってきました。しかし実際の施工となると、見た目だけでなく「構造的な安全性」や「猫の行動特性」に配慮した設計・工事が求められます。今回は、その裏側を少しだけご紹介します。
キャットウォークの設置で最も大切なポイントは「下地」です。
【Before】
【施工中】
【After】
猫は体重が軽いとはいえ、ジャンプしたり走ったりすると瞬間的に大きな荷重がかかります。特に高い位置に設置されることが多いキャットウォークは、落下事故を防ぐためにも、しっかりとした下地に取り付けることが必要不可欠です。
現地調査の段階で、壁の構造を確認。石膏ボードの裏にある間柱の位置を特定し、必要であれば補強工事を行います。
特に最近の住宅では、デザイン性を優先して壁に下地が入っていない場合もあります。そうした場合は、壁を開口して補強材を入れるなど、ひと手間かけて安全性を確保する必要があります。
また市販のキャットウォークも多く存在しますが、実際の住まいにぴったり合うように設置するには、オーダーメイドで対応が必要になることも・・
今回の現場では、猫ちゃんの性格や運動量、ご家族のライフスタイルなどもヒアリングさせていただきました。
例えば高いところが好きな子、臆病で静かな場所が落ち着く子、運動量の多い若い猫ちゃんなど、個体によって好みや行動パターンが大きく異なります。
また、お部屋の使い方や家具の配置も重要な要素。
人の動線を邪魔せず、かつ猫が楽しく遊べる動線をどう作るか。窓辺の景色を楽しめる高さにステップを設けたり、リビング全体を見渡せるような位置に通路を作ったり。こうした設計には、単なる「DIY感覚」ではなく、住まいづくりの知識と経験が必要です。
今回のお宅では、壁面に沿って段違いのステップを設置。猫が段階的に登っていける構造で、降りるときにも安心して移動できるよう工夫しています。
また、途中の一部にアクリル製のくつろぎスペースを設けました。ここは猫ちゃんにとって“安全基地”となる場所で、落ち着けるスペースとして活用してくれることを期待しています。
仕上げ材には、猫の爪に優しい木材を使用。滑りにくいよう表面加工も施しました。
人間にとってもインテリアとして馴染むように計画することもポイントです。
キャットウォークは、単なるペットの遊び場ではなく、家族の一員としての「猫との共生」を実現するための住環境のひとつ。
そして、その実現にはしっかりとした構造への配慮と、猫にも人にもやさしい設計のノウハウが重要です。
「猫のために何かしてあげたい」と思ったとき、キャットウォークの設置はその愛情をかたちにできる素敵な方法。もしご興味がある方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご相談ください。住まいのプロとして、猫ちゃんも人も笑顔になれるプランをご提案させていただきます。