本物のサウナを求めて①~サウナ文化編~
昨年よりサウナ事業をスタートさせたKIZUKIplanning。
本場のサウナ文化を学ぶためにエストニアを訪れました。本ブログより4回シリーズでレポートしていきます♪
バルト三国の一つであるエストニアは、北欧と東欧の文化が交差する国として知られています。長い歴史の中で、デンマーク、スウェーデン、ロシアなどの支配を受けながらも、独自の文化を育んできた国です。
1991年にソビエト連邦から独立し、現在ではIT技術を活用した電子国家としても注目を集めています。一方で、自然と伝統を大切にするライフスタイルが根付いており、サウナ文化もその一つ。人々の生活の一部としてさまざまなスタイルで活用されています。
今回のツアーでは、無形文化遺産に登録された伝統的なスモークサウナから、都市部の公衆サウナ、さらには先端のスパ施設まで、幅広いサウナ文化を視察することができました。
ムースカファームのスモークサウナ
エストニア南部ヴォル地方(ロシア国境まで40km)にあるムースカファームのスモークサウナ(Smoke Sauna)は、2014年にユネスコの無形文化遺産に登録された貴重な伝統文化です。サウナ好きには「キング・オブ・サウナ」と呼ばれエストニアサウナの聖地になっていることでも有名です。
スモークサウナは、煙突がなく、薪を燃やした後に煙を屋内に充満させることで独特の香りと効果を生み出します。サウナ内部は煤で黒く染まり、火を落とした後に熱と蒸気を利用して入浴します。
このスモークサウナは単なる入浴施設ではなく、心身の浄化や家族・友人との交流の場でもあります。ムースカファームでは、サウナの入り方や伝統的な儀式について詳しく教えてもらい、現地の人々がどのようにサウナを大切にしているかを学ぶことができました。
ムースカファームのエダさんの言葉に「森の精霊、木の精霊、火の精霊、石の精霊、蒸気の精霊があなたに温度、熱を伝えてくれる」というものがありました。自然界すべてのものに神が宿るというスピリッツは、どこか日本の神道の考えにも通ずるもので日本人にとっては深く共感のできるものでした。
カルマサウナ(Kalma Sauna)
タリンの街中にあるカルマサウナは、100年以上の歴史を持つ公衆サウナ。エストニアでは、公衆サウナが市民の生活に根付いており、多くの人が日常的に利用しています。カルマサウナは、伝統的な薪ストーブを使用しており、適度な湿度と高温の組み合わせが特徴です。
訪れた際、地元の人々が気軽にサウナに集い、会話を楽しんでいる様子が印象的でした。サウナは単なる健康促進の場ではなく、地域のコミュニティの一部として機能しているのです。日本ではまだ馴染みの薄い文化ですが、こうしたサウナの役割はとても興味深いものでした。
エラムスパ(Elamus Spa)
最新のサウナ文化を体験するために訪れたのが、エストニアの先端スパ施設「エラムスパ」です。ここでは、現代的な設備を活かしつつ、伝統的なサウナの要素を取り入れた多様な体験をすることができます。
エラムスパには、スモークサウナ、フィンランド式サウナ、ハーブサウナなど、多種多様なサウナが揃っており、各サウナごとに異なる温度と湿度のバリエーションを楽しめます。また、サウナセッションではアウフグース(ロウリュ)も実施され、より深いリラックス効果を体験することができました。
この施設は、サウナ初心者から上級者まで楽しめる設計になっており、都市部に住む人々が気軽に訪れてリフレッシュできる環境が整っています。伝統と革新が見事に融合しており、エストニアのサウナ文化の進化や深さを感じることができました。
イグルーパーク(Iglupark)
タリンの港エリアに位置するイグルーパーク(Iglupark)は、モダンなデザインとエストニアの伝統的なサウナ文化を融合させたユニークな施設です。ここでは、木製のイグルー型サウナが並び、海を眺めながら贅沢なサウナ体験ができます。
イグルーパークの魅力は、プライベートサウナとして利用できる点。各サウナには専用の休憩スペースがあり、リラックスしながら海風を感じることができます。また、サウナの後は目の前に広がるバルト海に直接飛び込むことができ、サウナと水風呂のコントラストを存分に楽しめます。
この施設は、観光客にも人気がありながら、地元の人々にも親しまれています。都市の喧騒を離れ、静かにサウナを楽しめる特別な空間として、エストニアの新しいサウナ文化を象徴する場所の一つと言えます。
エストニアのサウナ文化に学ぶ
今回の視察を通じて、エストニアにおけるサウナ文化の多様性と奥深さを実感しました。伝統的なスモークサウナは、家族や仲間との絆を深める場であり、公衆サウナは地域コミュニティの重要な一部。そして、先端のスパ施設は都市生活の中で癒しを提供する場所として機能しています。
日本でもサウナブームに広がりを見せていますが、エストニアのように「暮らしの一部」として定着させるには、単なる施設の提供だけでなく、文化や習慣の継承が重要だと感じました。今回の学びを活かし、日本に合ったサウナのあり方を提案していきたいと思います。
エストニアのサウナ文化に触れることで、サウナの持つ本来の価値を再認識し、より深く楽しむヒントを得ることができました。
次回ブログは~サウナヒーター編~です。お楽しみに!