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KIZUKIブログ

トップライトに潜むリスク

トップライトに潜むリスク

現在防府市で工事中のこちらのリフォーム現場。

外壁塗装や設備の入替え、また外構工事など盛りだくさんの内容ですが、今回のリフォームの最大の目的は「トップライト」の撤去です。

トップライトは天窓とも呼ばれ、屋根面から光を取り入れるために設置された窓のことを言います。

天窓からの光は上から降り注ぐため、日当たりが悪い立地でも建物の内部まで明るく照らしてくれます。

高所からの採光は明るさを均一にし、空間に広がりを感じさせる効果もあり、建築基準法においても”一般の壁面の窓に比べて3倍の採光効果がある”(建築基準法施行令第20条第2項より)と認められています。

その一方でリスクも存在します。

1. 雨漏りのリスク

トップライトは屋根に直接設置されるため、通常の窓よりも防水処理が重要。施工の際に適切な防水処理が施されていなかったり、経年劣化によってシーリングが劣化したりすると、雨水が侵入しやすくなります。特に、日本のように台風や集中豪雨が多い地域では、トップライトの防水対策が十分でないと雨漏りの原因になりやすいです。

2. ガラスの破損リスク

もう一つのリスクが、ガラスの破損です。トップライトには安全性の観点から網入りガラスが使われることが多いのですが、この網入りガラスが逆に破損の原因となることがあります。

網入りガラスは、火災時にガラスが飛散するのを防ぐ役割を持っています。しかし、このガラスの内部に埋め込まれた金属製のワイヤーは、気温の変化によって膨張・収縮を繰り返します。

特に夏の暑い日や冬の寒暖差が激しい環境では、金属ワイヤーの膨張によってガラスに強い負荷がかかり、結果としてひび割れが発生することがあります。これを熱割れと呼びます。

また、雹(ひょう)や飛来物による物理的な衝撃も、トップライトのガラスにダメージを与える可能性があります。特に、台風の影響を受けやすい地域では、飛散防止フィルムの活用や、強化ガラスの採用も検討する必要があります。

3.熱の出入り

夏の暑さや冬の寒さの影響を受けやすい場所となります。また、結露発生の原因になりやすい場所であることも無視できません。このような問題を防ぐため、トップライトを設置する際には遮熱・断熱性能の高いガラスの選定や、適切な日射対策を考慮することが重要となります。

 

今回ご相談いただいたのはトップライトからの雨漏り。。

現場に確認に行くと、トップライトから侵入した雨水が室内に侵入し、木部や壁面に腐れを発生させていました。

トップライトの雨水侵入の原因を特定し復旧するという方法も協議しましたが、現在この部屋をあまり利用していないこと。また、将来に渡りリスクを背負いたくないとのご意向で撤去となりました。

今回の工事の手順はこうなります。

①トップライト撤去後、不足となる瓦の手配
②外部足場施工
③トップライト撤去
④屋根仕舞い及び瓦施工
⑤内部天井及び壁面の復旧

こちらが実際の様子です。

最後、壁紙で仕上げで完成です♪

トップライトは、室内の採光を大幅に向上させる素晴らしい設備ですが、雨漏りやガラス破損といったリスクも抱えています。

これらのリスクを軽減するためには、適切な施工と定期的なメンテナンスが欠かせません。特に防水処理の状態をチェックし、網入りガラスのひび割れが発生していないかを確認することも重要です。

また、トップライトの存在が生活をする上で大きな悩みの種・・となれば、今回のように撤去することも視野に入れる必要があると思います。

トップライトのメリットを最大限活かしつつ、安全に快適な住まいを維持するために、設置やメンテナンスには十分な配慮をしていきましょう。

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