読み込み中

KIZUKIブログ

煙が出る薪ストーブと煙が出ないペレットストーブ

煙が出る薪ストーブと煙が出ないペレットストーブ

薪ストーブの煙突から出る煙で近隣トラブル・・・というNEWSを目にすることがあります。(画像をクリック↓)

薪ストーブとペレットストーブ。

どちらも木を燃料とするストーブですが、「薪ストーブは煙が出るのに、ペレットストーブはほとんど煙が出ないのはなぜ?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。どちらも燃やしているのは木なのに、この違いが生まれる理由を解説していきます。

1. 燃焼方式の違い

薪ストーブとペレットストーブでは、燃焼の仕組みが大きく異なります。

薪ストーブは、薪をそのまま燃やす方式です。薪は形状が不均一で水分を含んでいるため、燃える速度や燃焼の進み方にムラが生じやすく、特に着火時や薪を追加したときに一時的に不完全燃焼が起こりやすくなります。この未燃焼のガスや粒子が煙として排出されるため、煙突から白い煙が出ることが多いと言えます。

また、薪ストーブの燃焼は使用者の調整次第。空気量の調整がうまくいかないと、十分な酸素が供給されず、薪が完全に燃えきらずに煙が出やすくなります。

一方、ペレットストーブは、木材を細かく砕いて圧縮した木質ペレットを燃料に使用し、燃焼室に少量ずつ自動供給しながら燃やす仕組みです。燃焼が計画的にコントロールされているため、温度が安定しやすく、高温で完全燃焼しやすいのが特徴です。

さらに、ペレットストーブには排気ファンが搭載されており、燃焼ガスを強制的に排出する仕組みになっています。そのため、不完全燃焼が起こりにくく、煙がほとんど発生しません。

2. 燃料の違い

薪ストーブとペレットストーブでは、使用する燃料の特性にも違いがあります。

薪は自然の木を乾燥させたものですが、完全に乾燥させるには長い時間が必要です。薪の水分量は15~20%程度が一般的で、燃やす際に水分が蒸発する過程で不完全燃焼を引き起こしやすくなります。そのため、煙やススが発生しやすいのです。

さらに、薪の種類によって燃え方にも違いがあります。広葉樹(ナラやクヌギなど)は火持ちが良いですが、針葉樹(スギやヒノキなど)は油分が多く、煙やススが出やすい傾向があります。

一方のペレットストーブ。燃料である木質ペレットは、おがくずや木くずを圧縮して作られています。水分量は10%以下と非常に少なく、乾燥が行き届いているため、燃焼時に余分な水分が蒸発することがほとんどありません。その結果、煙の発生を抑えられます。

また、ペレットは均一な形状をしているため、燃焼が一定のペースで進みやすく、完全燃焼しやすい特徴があります。

3. 空気供給の違い

薪ストーブとペレットストーブでは、空気の供給方法にも違いがあります。

薪ストーブは、使用者が手動で空気の量を調整する必要があります。空気量が不足すると不完全燃焼が起こり、煙が発生しやすくなります。

ペレットストーブは、内蔵されたファンが計画的に酸素を送り込むため、最適な燃焼環境が保たれ、煙が出にくくなっています。この自動制御の有無も、煙の発生量に大きく影響しています。

4. 排気システムの違い

薪ストーブは自然な煙突の上昇気流(ドラフト)を利用して煙を外に出します。しかし、薪の状態や外気の温度によっては、うまく排気できずに煙がこもることがあります。

一方、ペレットストーブは強制排気ファンが煙を排出するため、排気の流れが一定で、煙が残りにくい仕組みになっています。

まとめ

薪ストーブは炎の揺らぎや薪をくべる楽しさが魅力ですが、煙の管理には注意が必要。一方、ペレットストーブは手間が少なく、煙の発生を抑えながら効率よく燃焼するため、環境にやさしく扱いやすい暖房器具と言えます。

どちらを選ぶかは、ライフスタイルや好みによるところが大きいですが、それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合ったストーブを選びましょう!

 

TOP