手持ちの現金と頭金
住まいづくりの資金計画を考えていく中で「頭金は少しでも多いほうがいい」と考える方は多くいらっしゃいます。
もちろんその分だけ借入額を抑えることができるので、毎月のローン返済額は少なくなります。
一方で、長い人生を歩んでいく中で、想定外の出来事はどうしても起こるもの。
家族の病気や自動車・家電品などの故障、転職に老親の介護などなど。
これら、想定外のことが発生したとき、手元の現金がほぼゼロという状態になることは避けたいものです。
①突然やってくる不測の事態に備え、手元に現金がいくらあればいいのかを十分検討し、その分だけは手元に残しておきましょう。
②「手持ち現金から①の金額を引いた頭金」と「毎月無理なく返済できる金額」のバランスをみながら、どの程度であれば住まいづくりに資金を使えるのかを見極め、その範囲内でマイホーム計画を立てていく。
③返済期間はなるべく短い期間であるに越したことはありませんが、そのために毎月の返済額が大きくなり生活が苦しくなるようであれば、無理のない範囲で返済期間を少し延ばしにします。返済期間の延長は、ローン金利が上昇している局面では金利負担も大きくなりますが、現在のような低金利局面ではそれほど負担にはなってきません。
④ほとんどの住宅ローンには、施主が死亡したり高度障害になった場合に、その時点で残債がなくなる生命保険機能(団体信用生命保険)が付与されています。ローン返済期間中はそれによって家族が守られることから、住宅を建てることが、逆にリスク回避につながることもあります。そこを考慮した上で、現在加入している生命保険をこの機会に見直し無駄をカット。毎月の保険料を抑えることで状況に変化が生まれることもあります。
⑤住宅ローン減税で還ってくるお金は、できれば早いうちにローンの繰上げ返済(内入れ)に回しましょう。その際の返済方法は、返済期間がその都度短くなっていく「期間短縮型」がより効果的。それにより当初の返済期間より早く返済が終わり、返済総額も減らすことができます。また、当初手元に残した現金も当面使う予定がなければ、支障のない範囲で早めに繰上げ返済に回していけばその効果はより一層高くなります。