タイル浴室リフォームでの注意点
ここ最近では、浴室といえばユニットバスというのが一般的ですが、ひと昔前の浴室といえば「タイル」の浴室が主流でした。
ユニットバスは「乾式」の浴室、タイルの浴室は「湿式」の浴室といわれることもあります。
タイル浴室での主な問題点は以下の通りです。
1. 水漏れのリスク
・目地の劣化
タイルの目地は経年劣化でひび割れや剥がれが生じることがあります。これにより、隙間から水が浸入し、床下や壁内に水漏れを引き起こすことがあります。
・防水層の損傷
防水シートや防水材が劣化していると、タイル表面からの浸水が構造体にダメージを与える可能性があります。
こちらは先日現場調査にお伺いしたお宅の脱衣室床です。
タイル目地部から水の侵入及びサッシの結露水により、脱衣室床材にまでダメージを与えている状態です。
対応策としては、浴室はユニットバスへ変更。また、脱衣室もリフォームすることで様々な問題点をリカバリーしていく計画です。お正月をピカピカの浴室でお迎えいただけるように工事を進めさせていただきます。
2. 断熱性能の低さ
・冬場の冷たさ
タイル自体は断熱性能が低いため、冬場は床や壁が非常に冷たく感じられます。結果として浴室全体が寒くなりやすく、ヒートショックのリスクが高まります。
3. 滑りやすさ
・濡れると滑る
タイル表面は水に濡れると滑りやすくなり、高齢者や子どもにとって転倒の危険性が増します。特に光沢のあるタイルは注意が必要です。
4. 掃除の手間
・目地のカビや汚れ
目地部分は掃除がしづらく、湿気や水分が溜まりやすいため、カビや汚れが発生しやすいです。特に黒カビは見た目が悪く、取り除くのに手間がかかります。
5. 耐震性の課題
・タイルの剥がれやひび割れ
地震の際にタイルが剥がれたりひび割れたりすることがあります。これにより見た目だけでなく、防水性も低下します。
6. 解体や修繕のコスト
・リフォーム時の手間
タイルの浴室は解体や修繕に手間がかかり、費用が高くなる傾向があります。特に水漏れや腐食が進んでいる場合、構造体まで修繕が必要になることがあります。
木部が常に湿潤な環境下におかれると、腐朽菌によりボロボロになるケースも多くみられます。
7. メンテナンスがしづらい
・床下がブラックボックス
浴室の床下が空間になっておらず、砕石や土で埋められているため、配管などをメンテナンスすることが難しい場合がほとんどです。
8. 見た目の古さ
・時代遅れのデザイン
古いタイルの浴室は現代の住宅と比較してデザインが古臭く感じられる場合があり、全体の住宅価値に影響を与えることがあります。
-------------------
こちらは現在タイルの浴室からユニットバスにリフォーム中の現場です。
構造材にも問題がないかをチェックしながら工事を進めています。
ユニットバスに交換することで使い勝手はもちろんのこと、「断熱性の向上」や「メンテナンス性の向上」を実現していきます。
タイル浴室は漏水から構造材自体にダメージを与えることがあり、そのリカバリーに多くの費用が必要となる場合があります。上記、タイル浴室の問題点にあてはまる項目が疑われる場合は、早めにご相談いただくことをお勧めします。